木材利用の変遷 2
紙の使用量は、文化のバロメーターともいわれます。
昔は和紙が全盛でしたが、今から約100年前、木材繊維を紙の原料として使う製紙技術が西洋から導入されました。
この「西洋紙」の原料はアカマツ、北海道や樺太のトドマツ、エゾマツといった針葉樹に限られていました。
当時の製紙王たる王子製紙(株)は伐採跡地の原木保続のため積極的な再造林を進めていたのです。
しかし、戦後、紙の消費も急速に増大しつつあった昭和30年頃になって、紙の質あるいはコストの面から原木は完全に針葉樹から広葉樹に変わってしまったのです。
これがパルプ革命です。
日本におけるアカマツ、トドマツ、エゾマツの占める比率は天然林はもちろん、前記のような事情から人工林でも極めて多いのです。
しかしアカマツは近代建築においてはほとんど使われず、パルプ資源としても完全に締め出された現在、木材としては無用の長物化してしまった感があります。
そこへ松くい虫の総攻撃ときては、利用の途が皆無であるため、立枯れの枯木の山と化し、それを放置することがさらに松くい虫被害の拡大に拍車をかける要因ともなっているのですから、この無情な因果関係に今さらながら想いを深くするものです。
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